あの子はどうして朝から来ないの?~起立性調節障害~

ここまくん
「ぱんこちゃんはいいなあ。」
山下先生
「どうしたの?」
ここまくん
「僕たちは朝から学校に来てるのに、ぱんこちゃんはいつも給食からやってくるんだ。先生は起立性なんたらっていう朝起きられない病気だって言うんだけど怠けてるだけじゃない?僕だって本当はもっと寝ていたいよ。」

山下先生
「ここまくんは朝から頑張ってるんだね。起立性なんちゃらってもしかして起立性調節障害じゃない?」
ここまくん
「あ!確かにそんな名前だった!」
山下先生
「そっか。確かに怠けているようにみえるかもしれないんだけど、ぱんこちゃんはね、朝起きたくても起きられないんだよ。」
ここまくん
「それがどういうことかよくわかんないんだよ。」
山下先生
「じゃあちょっと説明してみようか。起立性調節障害はね、自律神経っていうものがうまく働かなくて起きる症状なんだ。朝起き上がっても血流が頭に流れるのは自律神経のおかげなんだ。おかげで私たちは朝からしっかり活動できるんだよね。」
ここまくん
「自律神経ってすごいんだね。」
山下先生
「ところが起立性調節障害の子は自律神経が上手に働かないから、血流が重力に負けて頭に流れないんだ。頭が痛くなったりお腹が痛かったりするんだよ。だんだん、時間がたつと自律神経がうまく働くようになって調子がよくなる子が多いんだ。だからぱんこちゃんも給食から来てるんだね。」
ここまくん
「ふーん。時間がたてば元気になるんだ。確かに学校に来たら体育もやってるし給食もよく食べてるよ。だからみんな仮病じゃないかって言ってる。」
山下先生
「ぱんこちゃんは昼から来れるけど、なかには一日しんどい子もいるよ。朝起きられないから昼夜逆転の生活になって余計、朝がつらくなることも多いんだよ。」

ここまくん
「それって薬とかないの?」
山下先生
「薬はあるけどまずは、体の循環をよくするために水とか塩分を取るようにしてもらうよ。だいたい1日1.5-2.0L飲んでもらったり、塩分は朝にスープを飲んでもらったりしてるよ。あとは睡眠を8時間くらいしっかりとってもらうよ。あとは運動すると心拍出量が増えるから適度な運動もいいっていわれてるよ。運動といっても15分から30分程度の散歩でいいって言われてる。弾性ストッキングを使ってもらうこともあるよ。それでもつらいとき薬は処方する。」
ここまくん
「じゃあ、ぱんこちゃんもそういうことをしてるのかな。」
山下先生
「学校や友達の理解がなくてますます学校が行きにくくなって不登校になっちゃう子もいるんだ。ぱんこちゃんもよくなるといいね。」
ここまくん
「ずるいって思ってたけど違ったんだね。」
山下先生
「目に見えないからわかりにくいけど、ぱんこちゃんの体の中は大変なんだよね。大人になっていくとよくなることが多いよ。ここまくんも話をきいてくれてありがとう。」
ここまくん
「山下先生、ありがとう!」